狩猟の話を少々。
以前から罠猟に興味があり、3年前に狩猟免許をとって、罠の名人に習いに行ったりと、片足というかつま先程度を突っ込んできた。
枕崎にいたときは、坊津の友人から丸々一頭で譲ってもらったり、猟師の知り合いから解体の時間がないと放棄を丸々もらったりして、解体もそれなりにしてきたけど、狩猟はしてこなかった。
罠の毎年の申請料金がちょっと高いのと、罠をかけてしまうと定期で見回らないといけないので、定期巡回の時間がとれないだの、「来年こそは狩猟するぞ」と思いつつ、結局せずにいた。
自分で狩猟をしなくても、必要十分な肉が手に入っていたというのもある。
根占に引越し罠の住所変更をしなきゃと思っていたら、天草の友人の伝で山を越えて反対側の肝付町川上の猟師さんを紹介してもらった。
話しを聞くところかなりスゴ腕の猟師さん。罠数の制限がなかった頃には、罠だけで100頭以上獲っていたらしい。
今でこそ、罠も進化して捕獲率があがったようだが、シーズンで50頭獲れれば名人という時代に100頭越えだから、郡を抜いて獲っていたし、かなり売上もあげていたようだ。1日に8頭かけたこともあるとか。
今では、目も足も悪くなり、半分引退しつつ、車で回れる道路際を中心にかけるだけで、「山の中にかければいくらでも獲れるのになぁ」といいながら、今シーズンはまだ前半戦で既に、猪40、鹿を7頭もくくっている。
来年は、弟子について、いろいろ教えてもらいたいなぁと思っていた矢先。
「ちょっと手伝って欲しい」ということで、1日、猟の手伝いに行ったら、その晩には「いや~、いい弟子ができた。次は4日後に見回りにいくから!」
ということで、
こちらは来年の予定だったけど、いつのまにか弟子になっていました。
僕は今年は申請をしていないので、1人ではかけられないけど、師匠の手伝いをしながら、掛けてみたいところには、自分で道を見つけて、掛ける場所を決めて、罠の設置をするなど、裁量でやらせてもらっているので、実践的に勉強もできてありがたい。
弟子入り初日で、40kgの猪捕獲。打撃担当ということで、樫の棒で頭を狙うもかわされ、直撃を当てられずにいたら、棒がはずれ猪が突進。その後、少し離れた藪で絡んだところを打撃して、留め刺。
この日は、縁起欲、鹿と猪が1頭ずつ。
分け前に半分いただきました。
こちらは、日付変わって、大雪で山に入れず、罠の見回りが6日間できなかったときに、猪が既に死んでいた。
臭くはなっていなかったけど、オスだから、これでは商品にはならない。
師匠はもう放棄しようかとどうしようかというので、少し時間をもらってその場で一部解体。背ロースだけ外すことにした。
いつもは、毛の処理を済ませてから、作業台の上で解体するので、全く勝手が違う。
まず一番、毛が肉に混じらないように気をつけること。これが難しい。
毛が肉や脂肪についてしまうと後から取り除くがとっても大変。
背骨から皮を剥いては裏返しえして毛が肉につかないように気をつけたけど、地面と言うこともありすごく作業しづらかった。
毛をはがす場合は、吊ったほうがいいのかもしれない。
サバイバル環境で大型動物を獲って解体する場合は、同じことになるので、そういう意味ではとてもいい勉強になった。
全部の肉を取るけど、先に毛の処理ができない場合は、吊って解体になるのかなぁ。
手元には骨スキ包丁も持っていたけど、結局使ったのはブッシュクラフトナイフ1本。骨スキ作業も皮ハギ作業もあるので、切っ先は丸い方が使いやすい。
ついでに先日、師匠の道具を真似て作ったのが、この罠猟用の鉈。
以前から、林業の現場で使えるクサビを打ち込める鉈を作りたいと思っていたけど、罠用は、先端がスコップとして使える。
師匠は踏み板を使うので、穴を掘ることが多い。先端は鈍角に刃を付けているので、掘る作業に最適。
鉈刃は薪割りには使わないので、ホローグラインドをいれて、切り出し作業や枝払いがしやすいようにしてある。
ハンマーは、杭を打ち込めればいいのだが、クサビを打つことも視野にいれて少し大きめにした。トラックの板バネを使ったのでかなり強度あり、釘打ちや金クサビを打つのにも使える。
柄は、腰袋にいれて藪を歩いても、引っかからないように短めにしてある。
あとは、リングをつけて、落下防止のカラビナを掛けられるようにしようと思う。
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