100,000年後の安全(映画)


フィンランドの放射性廃棄物の埋立て最終処分場のドキュメンタリー。
放射線の発見から100年余り、原子力のエネルギー利用が始まって60年余り。
未だに、放射性廃棄物の安全で確実な処分方法が確立しないまま、中間貯蔵という形でとりあえずプールで沈めた使用済み燃料が、すでに25万?35万tもの高レベル放射性廃棄物が世界中に溢れている。
地球上の生命が何百回全滅できるだろうか、途方も無い猛毒の途方も無い量だ。
オンカロは13億年間も動きの無い超安定地盤に500mの地下坑を堀り、廃棄物を埋めて蓋をする計画だ。
さて、映画は率直な感想、微妙だった。
10万年間貯蔵するうえでの最大のリスクは、後の人類によって掘り起こされないかどうかだけで、内容は殆どこれに終始する。
映画として何を伝えたかったのかイマイチ分からなかったし、監督が放射性廃棄物処理という問題に切り込んでいく姿勢もなく、正直、情熱が感じられなかった。
映像がきれいだと聞いていたけど、大した映像美ではなかったうえに、音響も映像も変な近未来チックなエフェクトが多く、余計な感じがした。
個人的には、世界中が抱えている使用済み核燃料の処分問題、放射能が世界を丸々破壊してしまう問題、伴う核兵器の問題など、周辺事情も含めて深く扱って欲しかった。
あと、思ったのは、日本で高レベル放射性廃棄物の最終処分を画策しているニューモは、100年から500年程度しか持たない容器に入れて、どこをどんなに掘ったって不安定な日本の地盤を、たったの400m掘って埋めようという、超低レベルな処分計画。
立場によって様々な試算や評価があるけど、たぶん400年、運がよくても1000年程度の対応年数。
唖然とするくらい桁の違う対応年数。少なくともオンカロは技術的には大真面目に10万年は貯蔵できるつもりでいるらしいので、この違いを日本の最終処分関係者はどうみるのか?鹿児島南大隅でも誘致問題が起きているが、日本のどこかに超危険なゴミが、適当に埋められようとしているということをどうみるのか?
その辺の話とセットで映画を見ると多少は楽しめるだろうか。

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