アナグマ(穴熊)さん 解体・精肉・皮なめし part2 その2 [解体手順]


さて、翌日。鹿児島市から友人が3名やってきたので、一緒に解体することに。

まず、皮を剥ぎます。
血抜きの為に頭を下にしてぶら下げていたので、そのまま逆さづりで剥ぎます。これは、どっちが上でもいいと思います。

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皮取りは、猫皮で三味線を作る場合は、背開きでお腹の皮を使うんだったと思いますが、概ね腹開きでいいのではないかと思います。
ジャンベの山羊皮も、和太鼓の牛も腹で開いているみたいですし、基本、腹開きなんでしょう。

手足と頭の皮は取らないので、腹の中心線と手足首と首の点線が切り目になるように剥ぎます。頭の皮も取ることもあるようですが、実用品として頭のある皮製品は何となく使い心地が悪そうだし、手間なので、省きました。
剥ぐときは、皮を引っ張り、皮と肉の間の膜をナイフで断ちながら剥いでいきます。

今回、使った刃物は、ブッシュクラフトナイフと骨スキ包丁です。ブッシュクラフトナイフは、ハンティングナイフにかなり近い形状、用途です。(エッヂの形状と厚みが違いますかね。ハンティングナイフの方が解体には向いていると思います)
しかし、刃渡りが15cm以下で、切っ先に丸みがある刃物なら何でもいいと思います。
狩猟・解体界隈では、ナイフ談義は奥が深いというか、こだわりだすとキリがない世界なんですが、一度に、何頭も解体するわけでも、毎日解体するわけでもないし、ある程度持ちやすく、切れ味があり、厚み(2~4mm)のある刃物なら何でもいいと思います
ただ、切っ先が尖り過ぎていると、不意に皮にひっかけて破いてしまったりするので、切っ先が丸いハンティングナイフやスキナー的な刃物と、骨抜きしたりするのに、切っ先のあるナイフと2本を使い分けると、やりやすいかなと思います。
余り、長い刃物は、精肉にはいいけど、解体には使いづらいです。あと、脂すごくて、かなりヌルヌルしてくるので、脂でベトベト、ヌルヌルになってもある程度ホールドしやすい刃物がいいですね。

皮を剥ぎ時の注意点は、肉に毛皮の毛が付かないようにすることです。
毛皮の内側のFleshLayerと呼ばれる脂肪と膜のような層は、一度毛が付くとなかなか取れません。
毛が混じり込むと、膜ごと剥いで捨てるか、食べ心地の悪い肉になってしまいます。

皮は上から剥がしていき、毛皮面と毛皮面が接するように、下に垂らしながら剥ぎ進めます。
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5~6kgのアナグマでしたが、結構な面積の皮がとれました。毛並みもなかなかよろしい。

続いて、腹部から内臓を引き出します。
このとき、頭を上につるしておいた方がいいです。間違って、腸など臭い部位を破いてしまった場合の被害が小さい為。
特にRoadKillは、すでに内臓が破れていることも多いので、頭を上に吊り、下腹部から裂けば、もし腸が破れていても、肉を殆ど汚さずに、抜き落とすことができます。
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肋骨の手前まで開いたら、手を突っ込み、内臓全体を掴んで、ぐっと引き出します。
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肝臓は、立派で状態もよかったです。
内臓を引き出して分かったんですが、肺がダメージを受けて、肺に血が溜まっていました。
逆さ吊りにして血抜きをしたときに、余り血がでなかったので、血抜き失敗かなと思ったけど、肺に血が抜けてくれていたようです。
肺に血が抜けてくれると、筋肉に血が回らず、肉の味は良くなります。

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内臓を抜いたら、首も手首も切り落とし、血や毛、内臓の臭みをきれいに洗い流します。
水洗いしたら、以降は板の上で作業した方が、やりやすいです。

前腕と後ろ足を外します。
小さかったので、背ロースと首肉とバラ肉と前ウデを一体で外しました。
後ろは、内ロースとモモを一体で外しました。
初めて解体すると、大転子(骨盤と大腿骨のつなぎ目)の形状が分からず、骨盤側に肉が残ってしまいがちですが、ナイフの先端で、骨盤の骨を分かるところから、徐々に、徐々に外していくことと、骨盤側を固定して、足側を動かすことで、関節の位置を見極めながら、刃物を入れると、肉の取り残しが減ると思います。
取り残したところで、屑にはなってしまいますが、後から取ればいいので、躊躇せずいきましょう。
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肋骨は、腹側のつなぎ目も、背骨側のつなぎ目も軟骨なので、刃物で切れます。
剪定はさみで切る人や、鉈でたたき切る人もいますが、ナイフで同じ箇所を何度か切り込めば、大型の獣でも簡単に切れます。

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これで、両ウデ、両モモ、背ロース、内ロース、バラ肉、両アバラ骨、背骨に分かれました。
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骨抜きは、刃物の切っ先を使って骨の周りを擦るように、肉をそぎ落としていきます。
今回は、骨スキ包丁を使いましたが、刃渡りが短く切っ先の尖った刃物の方が、やりやすいと思います。
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肉は、繊維方向を断つように切り落とします。ところどころ、肉質が硬い部位でも、硬い筋が混じっている場合でも、それだけで大分食べやすくなります。

次は皮ナメシを記します。